
院長:佐藤お気軽にご相談ください!
夜も涼しくなってきましたが、デスクワークの疲れで首や肩が重たくなっている方も多いのではないでしょうか。今日は当院にご相談いただくことの多い頚椎症について、できるだけわかりやすくお話ししていきたいと思います。


首や腕のしびれ、実は日々の姿勢の積み重ねが大きく関係しているんです。放っておかずに、一緒に原因を探っていきましょう
朝起きたときに首がスムーズに動かない、腕や手にピリピリとしたしびれが走る、そんな経験はありませんか。実はこれらの症状の裏側に、加齢や生活習慣によって首の骨や椎間板が変化してしまう状態が隠れていることがあります。ここでは代表的な症状を整理してみましょう。
一つでも当てはまるものがあれば、決して自己判断だけで済ませず、早めに専門家に相談することをおすすめします。症状を我慢し続けることが、実は一番のリスクになってしまうこともあるからです。
そもそも頚椎症というのは、年齢を重ねる中で、あるいは日々の姿勢の負担が積み重なることで、首の骨(頚椎)やその間にある椎間板が変性してしまい、そこにある神経が圧迫されて起こる不調のことを指します。単なる首こりとは少し違う、もう一段階進んだ状態だと考えていただくとわかりやすいかもしれません。
実は日本人は骨格的に脊柱管というトンネルが狭い傾向があるため、海外の方に比べて頚椎症になりやすいとも言われています。本格的な治療が必要になる方はそれほど多くはないものの、軽い変性を含めると中高年の方の多くが、知らないうちにこの状態を抱えているケースも少なくないのです。
初期は首や肩のこわばりだけで済んでいたものが、次第に腕のしびれや手の力の入りにくさに変わっていくことがあります。そのまま何もせずに過ごしてしまうと、細かい作業がしづらくなったり、趣味や仕事のパフォーマンスが落ちてしまったりすることも珍しくありません。
さらに進行すると、歩き方に影響が出たり、排尿や排便のコントロールが難しくなったりする深刻なケースも報告されています。両側の手足に症状が出てきた場合や、筋肉が明らかに落ちてきたと感じる場合は、進行が早い可能性があるので、迷わず専門家へ相談してほしいと思います。
頚椎症は一つの原因だけで起こるものではなく、いくつもの要素が絡み合って発症すると考えられています。ここで代表的な原因を見ていきましょう。
ちょっと驚かれるかもしれませんが、首が10度前に傾くだけで首にかかる負担は1.5倍、30度も傾くと約3倍にまで増えてしまうというデータがあります。スマホを見るときのうつむき姿勢が、思っている以上に首に負荷をかけているというのは、覚えておいて損はない話だと思います。
一人ひとり、姿勢の癖や生活のリズムは違いますから、同じ「頚椎症」という診断であっても症状の出方は本当に様々です。だからこそ、しっかりとした検査を通じて、その人ごとの原因を見極めることがとても大切になってきます。
頚椎症に対しては、これまでさまざまな対応方法が用いられてきました。ここではよく知られている方法と、それぞれが持つ限界についてお伝えしたいと思います。
| 対処法 | 内容 | 限界 |
|---|---|---|
| 薬物療法 | 消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などで痛みやしびれを抑える | 一時的な緩和にとどまり、根本原因は改善しにくい |
| 牽引療法 | 専用の器具で首を引き、椎間の隙間を広げる | 効果は一時的で、継続的な通院が必要になりやすい |
| 温熱療法 | 患部を温めて筋肉の緊張をやわらげる | 炎症がある場合は逆に反応を強めてしまうことも |
もちろんこれらの方法が全く無意味というわけではありませんが、表面的な痛みを一時的に抑えるだけでは、同じ症状を繰り返してしまう方が多いように感じます。私自身、重度のアトピーに長年苦しみ、その場しのぎの対処だけでは何も変わらないという経験をしてきましたので、この点は強くお伝えしたいところです。
実はよく「首を引っ張ってもらえますか」とご質問をいただくのですが、当院では頚椎症の施術において、首を引っ張るような施術は一切行っておりません。ここにははっきりとした理由があります。
首の骨を無理に引っ張る牽引という行為は、実は背骨を安定させている靭帯や椎間板、周りの筋肉、さらには神経や血管にまで負担をかけてしまう危険性があるのです。安定を支える組織そのものを引っ張って伸ばしてしまうと、一時的に楽になったように感じても、長期的には土台を弱めてしまうことにつながりかねません。だからこそ、当院ではこの方法を選択していません。
頚椎症の改善で本当に重要なのは、引っ張ることではなく、背骨がもともと持っている生理的な彎曲、いわゆるS字カーブをしっかりと作り直すことだと私は考えています。首の骨は本来、緩やかなカーブを描くことで、頭の重さを効率よく分散させる構造になっています。
そしてそのS字カーブが整った状態で、頭部が背骨の真上にきちんと乗るような姿勢を保てるようになると、薄くなってしまった椎間板にもポンプ作用のような働きが生まれてきます。椎間板は血管が少ない組織のため、こうした動きによる圧の変化があってこそ、栄養や水分が行き渡り、修復への力が働きやすくなるのです。引っ張って隙間を作るのではなく、正しい位置関係を取り戻すことこそが、本来の回復力を引き出す道だと私は実感しています。
ここからは、私が院で実際にどのようなことを大切にしているかをお話しさせてください。原因がわからないまま施術を繰り返しても、症状は何度も戻ってきてしまいます。だからこそ、まずは徹底した検査から始めることを何よりも重視しています。
自然治癒力が低下してしまう背景には、姿勢の乱れ、運動不足、そして正しい知識の不足という3つの要素が関わっていると私は考えています。特に運動については、激しい筋トレよりも、日々の歩行を大切にしていただきたいというのが私の考えです。私自身も毎朝2時間以上歩くことを日課にしています。
また、頭は冷やして足元は温めるという「頭寒足熱」の状態が、自律神経を整え、体が持つ治癒力を高めるうえでとても理想的だとされています。氷などを使った適切な冷却も、実は回復への近道になることがあるのです。
当院では最新の米国製姿勢分析ソフトに加え、整形外科的なテストや神経伝達の検査など、およそ30項目に及ぶ独自の検査を行っています。検査をせずに施術を進めてしまうと、結局は原因がはっきりしないまま同じ症状を繰り返すことになりかねません。
国際基準を満たしたカイロプラクティック学士として20年以上の臨床を積んできた立場から言えることは、原因がわかれば不安が減り、日々を前向きに過ごせるようになるということです。その方に合った施術計画を立てることが、遠回りをしない一番の方法だと私は信じています。
頚椎症についてご相談いただく中で、よく聞かれる質問をいくつかまとめてみました。ご自身の状況と重ね合わせながら読んでみてください。
長時間うつむいた姿勢を続けること、スマホを見続けること、重いものを頭より高い位置に持ち上げること、うつぶせで寝ることなどは、首への負担を増やしてしまいます。首を強く反らしたり捻ったりするようなヨガのポーズも、控えていただいた方が安心です。
頚椎症は加齢によって骨や椎間板全体がゆっくり変性していく状態を指し、頚椎ヘルニアは椎間板の一部が飛び出して神経を圧迫する、より急性で局所的な状態だと言えます。頚椎ヘルニアは頚椎症の一つの症状として現れることもあります。
基本的には整形外科が最初の受診先として一般的です。症状によっては脳神経外科や神経内科、ペインクリニックが選択肢になることもあります。
多くの頚椎症は、保存療法によって症状の改善が期待できます。手術が検討されるのは、保存療法で十分な改善が見られない場合や、歩行に影響が出るほど重度な神経症状がある場合に限られることが多いです。
頚椎症は、ただの首の痛みではなく、体からの大切なサインだと私は考えています。首を引っ張るような一時的な対応ではなく、背骨本来のS字カーブと正しい頭の位置を取り戻すことこそが、椎間板の修復力を引き出す本当の近道だと私は信じています。原因を追求せずにその場しのぎの対応を続けても、良くなることはありませんし、むしろ悪化してしまうことも少なくありません。
一日も早く、あなたが痛みやしびれから解放されて、趣味や仕事、家族との時間を心から楽しめる日々を取り戻していただきたいと願っています。つらいときは一人で我慢せず、どうぞお気軽に私にご相談ください。

